要求特性に対しての “推奨する主な無電解めっき”
無電解めっき要求特性 | 特性の概要 | 推奨する主な無電解めっき |
防錆・耐食性 |
湿気、硫化雰囲気、酸化雰囲気、塩分などに対する防錆、防食、耐食の性質。 |
カニゼンめっき
カニフロンめっき
セラミックカニゼンめっき
カニボロンめっき
|
耐摩耗性 |
摩耗しにくい特性のことで、高硬度による耐摩耗性、低摩擦係数による耐摩耗性などがある。 |
カニボロンめっき
セラミックカニゼンめっき
カニフロンめっき
カニボロンめっき
|
潤滑性 |
すべりやすさのこと。低摩擦係数によるもの、保油性によるもの、なじみ性によるものなどがある。 |
カニフロンめっき
カニボロンめっき
セラミックカニゼンめっき
|
寸法精度 |
精密機械部品や電子部品に必ず要求される特性。厚さ 10μm±1μmとか、±10%とかの表示がなされる。平面度で表示される部品もある。 |
全ての無電解めっき |
肉盛り性 |
寸法補整を目的とし、さらに耐摩耗性、耐食性、切削加工性などが同時に要求されることが多い。 |
カニゼンめっき |
型離れ性 |
金型に要求される特性。非粘着性とも深い関連性がある。 |
カニフロンめっき
カニボロンめっき
|
低摩擦性 |
すべり性とも称し、耐摩耗性や潤滑性と密接な関係にある。 |
カニボロンめっき
カニフロンめっき
セラミックカニゼンめっき
|
二次加工性 |
めっき後の加工のしやすさのこと。 |
カニボロンめっき
カニゼンめっき
|
電気伝導性 |
電気の伝わりやすさのこと。 |
全ての無電解めっき |
磁性 |
磁気記録媒体・磁石・磁芯などに要求される特性。静特性(保磁力、角形比)と動特性(メモリー特性)を総称するが、使用目的によって特性が異なる。 |
カニゼンめっき
カニフロンめっき
|
低接触抵抗性 |
電気接触部での電気抵抗の小さい特性。同時に高硬度、耐摩耗性を含めてスイッチ特性と称することもある。とくにロータリースイッチやコネクタなどの摺動接点では耐摩耗性が重要。 |
カニボロンめっき
カニゼンめっき
セラミックカニゼンめっき
カニフロンめっき
|
抵抗特性 |
電気抵抗体として必要な特性。特殊な無電解ニッケルめっきは、膜厚によって抵抗値を設定できる。 |
カニゼンめっき
カニボロンめっき
|
反射防止性 |
防眩性とも称される。光の反射、まぶしさを防ぐ特性のこと。黒色化や梨地化が多く用いられる。 |
カニブラックめっき
黒カニゼンめっき
|
耐候性 |
紫外線劣化をひき起こしやすいプラスチックやゴム、塗膜などを、紫外線から保護する特性。
※プラスティックや塗料等の高分子材料が、屋外で使用された場合に、変形、変色、劣化等の変質を起こしにくい性質の事である。
|
カニブラックめっき
黒カニゼンめっき
|
耐熱性 |
高温下で皮膜物性(硬度、耐摩耗性、耐食性など)が低下し難い特性。 |
カニボロンめっき
カニゼンめっき
セラミックカニゼンめっき
|
耐薬品性 |
化学薬品や有機酸などに対する耐食性のこと。 |
カニゼンめっき
カニフロンめっき
セラミックカニゼンめっき
カニボロンめっき
|
ハンダ付け性 |
ハンダ付けのしやすい特性で、ハンダぬれ性と称されることもある。電気、電子、機械など広範囲な分野で要求される大切な特性である。 |
カニボロンめっき
カニゼンめっき
|
ボンディング性 |
半導体部品の製造工程で要求される特性。金線やアルミ線と、熱圧着や超音波圧着で接合しやすい特性のこと。溶接着性なども似たような特性といえる。 |
カニボロンめっき
カニゼンめっき
|
非粘着性 |
型離れ性と同義で使われることも多い。すべり性や低摩擦係数と密接に関連する。 |
カニフロンめっき
カニボロンめっき
|